半年間の連載となりました当コラムも、毎週火曜という形での更新は、本日が最終回となります。今回は、この度わさびが受賞しました「第10回・日本動物大賞」について、また「もふもふパワー」をきっかけに野球界を盛り上げてきたエピソードをご紹介します。

始球式前、ボール遊びを楽しむわさび。 2017年9月14日 ヤクルト戦(神宮球場) ©Harumi Misawa

日本動物大賞とは

 公益財団法人・日本動物愛護協会が、創立60周年を機に「動物たちとの真の共生」を目指し、その中心的記念行事として創設した賞。動物理解、自然理解に優れた功績を挙げた動物、ならびに活動の実践者・団体を顕彰し、動物愛護管理法」の普及啓発を目指すもの。

 この賞は、「功労動物部門」「動物愛護部門」「社会貢献部門」という3部門の各賞の他、さらにグランプリが選定されるというもので、わさびは「功労動物賞」にノミネートされ、審査の結果「審査委員・特別賞」を頂きました。(3/15に東京のホテルで表彰式が行われます)

 グランプリは、和歌山県白浜・アドベンチャーワールドのジャイアントパンダ「永明(えいめい)」が受賞しました。

受賞にあたって

 今回の受賞理由は、「ベースボールドッグという存在はアメリカも含め存在したが、柴犬では初めてとのことで、球場という舞台で10年活躍してきたこの柴犬の話と写真には、誰もがほっこりとすることだろう。動物大賞選定の審査委員一同もほっこり。」というもの。(審査委員長:湯川れいこ氏のコメントより)

 ボールと共に笑顔を届けてくれるわさび。「もふもふパワー」は球場に足を運ぶ人たちだけでなく、その活動を通してさらに広がっているのだと感じました。

 もともとレトリーブ犬種(物品運搬を得意とする犬種)ではない柴犬が取り組むには、難しい挑戦でもありました。しかし、ここまで続いた理由は、わさび自身がボール運びを楽しんでくれたからこそ。いつも大切にしてきたことは、わさびが「たのしい」と思える環境を作ってあげること。あの球場という大舞台で、楽しく、誇らしげに運ぶわさびの姿こそが、たくさんの人々へ笑顔を届けてくれたのだと思います。

「もふもふパワー」をきっかけに、野球観戦の楽しさを知った!

 こんなエピソードがあります。

 わさびがロッテの始球式に出場する際、野球観戦をしたことがないという友人が観に来てくれることに。贔屓球団がある訳でも、応援している選手がいる訳でもない……ともすれば始球式を見たら帰ってしまいそうな……。

 友人は、始球式でのわさびのもふもふに癒され、一生懸命ボールを運ぶ姿に感動し、ちゃっかりビールも飲んで、場内の熱気に興奮しつつ、ぼっち観戦ながらも楽しく球場をあとに。次のわさびの始球式に来てくれた時には、なんとユニフォーム着用で現れ(!)、その後「TEAM26」に入会し、今ではわさびの出ない試合にも観戦に通う日々。

 他にも、ヤクルトでのわさびの始球式を機に、観戦仲間ができ、次の観戦時にはヤクルトスタイルに身を包み、いつの間にか「Swallows CREW」の会員になり通っていた知人や、他のチームでも「球場の近くに住んでいるけれど、一度も観戦したことはなかった」という方が、わさびの始球式をきっかけに応援してくれ、野球や現地応援の楽しさを知った、というエピソードも多いです。始球式でボールを運ぶのみならず、こういう形で野球界を盛り上げるお手伝いができているのだな、とうれしく思います。

11年目を迎えるにあたって

始球式直前のボール遊びは、本番成功のカギ! 2017年9月14日 ヤクルト戦(神宮球場) ©Harumi Misawa

 わさびにとって、球場へのおでかけは楽しみでもあるので、今季も無理のない範囲でボール運びに行く予定ではいます。何もなくても月に一度はかかりつけの獣医さんのところへ行き、大きな病院での定期検診もかかさず、徹底した健康管理。そして、うまうま手作り食での栄養管理のおかげもあって、おかげさまで元気に過ごしています。

 この10年の間には、失敗もあり、涙もあり、くじけてしまうようなこともありました。それでも2人で積み重ねた絆があったからこそ乗り越えることができ、そのことは私たちの原点ともなりました。そんな私たちを支えてくれたのはファンの皆さまの温かい応援のおかげです。今回の受賞に際し、応援して下さったファンの皆さま、そしてわさびが安心して運べるよう、いつも始球式をサポートして下さる各球団の関係者の皆さまに心からの感謝と御礼申し上げます。

 いま10周年企画として、「わさび、10年の軌跡」を描いた本を企画中です。わたし達の思いのつまった集大成の1冊になると思います。13年の写真をまとめながら懐かしい写真に思わずホロリ。詳細が決まりましたら、こちらのコラムでもご報告できたらと願っています。皆さまのもとへお届けできる日を楽しみにしつつ……。

それでは、また球場でお会いしましょう。
半年間、お読みいただきありがとうございました。

じゃーまね&わさび
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<著者プロフィール>
「ベースボール犬わさび」のパートナーであり、マネージャー(通称:じゃーまね)
わさびと共に、ボールを運び10年目。「ボールを運ぶ」というレトリーブの技術よりも、球場という場でいかに楽しくいられるか、というわさびの気持ちを大切にしながら活動中。
「わさびの信頼に足るパートナーたるか」を自身に問いながら、日々精進。「命を預かるのは命がけ」をモットーに、わさびの栄養管理・食事管理を担い、「本番一発勝負」のプロフェッショナルなお仕事ができるよう心がけている。(ペット栄養管理士/愛玩動物飼養管理士/犬のためのホリスティックケア・アドバイザー)
本業は、作曲家・ピアニスト。

<ベースボール犬わさび プロフィール>
柴犬・♀・13歳
2008年 独立リーグ・BCリーグ 信濃グランセローズ戦でデビューし、千葉ロッテマリーンズ、北海道日本ハムファイターズ(鎌ヶ谷スタジアム)、東京ヤクルトスワローズ(神宮球場)など様々な球場でボールを運び、マツダオールスターゲーム2013・第3戦(福島県いわきグリーンスタジアム)の始球式にも登場した。今季10年目・通算50試合。柴犬初のベースボール犬として、ボールと笑顔を届けている。

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Harumi Misawa

著者プロフィール Harumi Misawa

柴犬初のベースボール犬「わさび」のパートナーであり、マネージャー。通称「じゃーまね」。 プロ野球の始球式でボールを運び、今季10年目・通算50試合でボールと笑顔を届けている。